Archeage クローズドβはじめました

FTはやってないので今回が初めてです。

で、楽しくプレイして、他の感想サイト回って思ったこと。

絶望した。誰も世界観の良さに全然触れてないところに絶望した!!

いや自分も、生活系が好きだから、生産の充実に惹かれて始めたクチだし、そっちが楽しいのは確かなんだけどさ。

個人的に、今迄で一番オープンワールド系で、ぐっと来た世界観だったのよ。Archeageは。

原作ジョン・ミンヒと聞いて、少し期待はしてたんだけど、やるまで具体的にどんな感じになりそうか、実はピンとは来てなかったんだよね。

TWは原作の原作として4leafがあって、だからTWの世界観はルン子の世界観と4leafの世界観を足して2で割ったような感じになっていた。つまり、ミンヒ世界がそのままゲームになった風ではなかったし。

まぁ、正直Archeageもナレーターの声優さんには不満があるというか、声が悪いというより、この世界観でバリバリのアニメ声は合わないので、吹き替え系の声優さん使えよ、と思ったけど。

でもJRPG脳に染まっていて一直線に進むシナリオが好きな自分としては、あの紙芝居も（声を除けば）かなり気に入ったし。

もうぶっちゃけ国産MMOでも小野不由美とか、上橋菜穂子に原作世界設定作ってもらえば良いのに、と思った。

なんていうか、女性作家の描くファンタジー冒険世界と、男性作家が描くファンタジー冒険世界って、元々違うよね。

女性作家は、ファンタジー世界の「日常」を描き、その中で冒険する話を書くのに対して、男性作家はファンタジー世界の「非日常」を描き、その中で冒険する話を書くからなんだと思う。

一昔前のTRPG定番の「冒険者」とか、存在自体がアウトカーストの、非日常的な存在だし。そんな彼らも日常=酒場から飛び出して、冒険することになるんだし。

だから「日常」を描く女性作家の世界観の方が、ハードなんだと思う。

そりゃそうだ。「非日常」で人死にが出ても、それは大変なことではない。

ハレの世界なんだから、死は隣にあって当然だ。むしろ欠かせないものだ。祭りを盛り上げる興奮剤のようなものだ。残虐さと血飛沫は酒だ。

それが「日常」で冒険させられて、人死が出るとなると、相当キツイ。えぐい。

ケの世界で人が死んで、冒険して、政治もして、ってことになるんだから。

日常には終わりがない、そこでずっと生きなきゃいけない。

だから日常を描く女性作家のファンタジーの方が、ハード感があるんだと思う。

で、オープンワールド系のゲームって、「その世界で生きている実感」を与えようとしてるんだと昨今のリアル路線とか見て思うけど、その癖どういうわけか、今までイマイチその世界に生きてる実感なかったんだよな。

でも今思えば、原因は明らかだ。

あくまでファンタジー世界における「非日常」としての冒険が設定されていたからなんだよ。延々と非日常をやらされる。生活感覚が湧かないのも当然だ。

そこへいくと、女性作家の描くファンタジー世界は、日常感バリバリだから、なんというか、本当にその世界に行った感じがする。

Archeageのように生活系コンテンツが充実したタイプのMMOならなおさらだ。

非日常はいつか終わるものだ。終わって、日常へと戻る前提がある。

日常は終わりがない。実にMMO的だ。

まぁ、個人的にはここまでやったんだったら、いっそ生活系システムのチュートリアルクエも、もっとがっつり重いストーリー挟んで欲しかったとも思う。

小作農とか農奴の領分を、あえて他の身分のプレイヤーキャラが侵犯するとなると、ほれ、それだけで色々起こりそうだろ、色々と。

中世ベースのファンタジー世界観ってことは、職業選択の自由なんてない時代だってことだぜ。

生まれた家庭によって、定められた仕事以外の職をしようと思ったら、そもそも職の入り口に入るのが一番大変だろ、絶対。

そもそも、何でまたそんなことしようと思ったんだよお前、ってなる。絶対なる。

でもそう思わせる世界観が悪いんじゃなくて、むしろ今までそういう欲求すら湧かなかった世界観に比べて、ずっと良いからこそ、「もっと、こうあって欲しい」ってのが湧いてくるんだと思う。

……と、ここまで書いておいて、指輪物語とゲド戦記の違いについて、色々思い当たったり。

男性作家の指輪物語の系譜も良いけど、女性作家のゲド戦記の系譜も、もっとMMOに取り入れられて良いよね、と。

ゲドも非日常の世界に冒険しに行きはするけど、でもそこに至るまでの日常の描写が物凄く長いよね。冒険に出るまでが長いし。

指輪も日常要素は料理とか色々あるけど、ほとんど前半設定資料集を読まされるような感じで、流されている部分に、日常の大事な部分はあるんだと思うし。

RPGのルーツであるTRPGは確かに、セッション単位の世界で、だから非日常の冒険をさせるのに向いていた。行きて帰りし物語がしっくりきたわけだ。

でも昨今の終わりなきMMO世界なら、むしろゲド戦記の系譜向きだよ、と。

Archeageをプレイして、そう思ったのでした。