今更コードギアス R2全体の感想

えー長らく停止していたギアス関連のネタを、また書き出したのには訳がありまして。
実は最近ようやく全部R2見終えました。
えぇ、今更。
途中で一時期リタイアしちゃってたんですよね。本編。
理由は多分あれ。

シャーリーの死なせ方が酷い。

というショックからでした。

うむむ、死にネタ好きな分、死なせ方が納得いかないと、とことん引きずるのかなぁ。どーなんだろう。
でもあーゆー展開、なっちゃった理由は、何となく分かるんですよ。
この作品無茶苦茶緻密だから。内容的には、無茶な超展開を演出で押し切るって感じなんですけど、構成や構造はものっそ緻密に作ってあるんですよね。でもその緻密さが悪く出た。
緻密な構造の一つに、無印とR2の色々な部分を対にしようとしている所があったんですが、これに足を取られてテンポがものっそおかしくなっていたな、と。
最終的に見返してみて、全体構造はやっぱり素晴らしかったと思うんですが、リソース配分がおかしい。
よく言われているように、中華連邦と学園コメディに時間を割きすぎた。
で、その割を思いっきし食ったのが、シャーリー死亡→ギアス嚮団殲滅→V.V.死亡 の流れと、黒の騎士団が裏切るまでの流れだなぁと。
正直嚮団&V.V.は、二期の初期の敵として大きく配置するべきだったと思うし、シャーリーはもっと丁寧に危険エリアのキャラに入ってしまったことを描いてから殺すべきだったし、黒の騎士団が裏切るまでの流れは、彼らの葛藤にあと1パート割いて欲しかった。それで大分印象が違ったと思う。
あの話し合いの後の、実際にゼロを始末するための準備に入る段階あたりでの、彼らの行動とか、心情とかがあれば、あの急ぎすぎた感じがなくなったのに。

もちろん絶妙にうまくいっていた部分もあって、ニーナなんかあの出番回数で、よくここまで挽回させきったというか、もうこの話、裏の主人公ニーナじゃね? ってくらいの印象を作ったのはすごいし、リヴァルとミレイも、ストーリーに入れないポジションで、あの世界の失われてしまった日常への深い愛情をきっちり描ききってたし、ロロはR2初登場のキャラとしては、ほぼ唯一、本当に綺麗にその生涯を描き切られていたと思うし。

ただホント、テンポが……本当に……もったいない……。
てか、シャーリーが本当に、死ぬ前の展開をもうちょっと……、基本的に学園キャラは安全圏キャラとして認識されるよう描かれているので、唐突にならない死なせ方をするには、クッションを何段階か踏む必要があるんですよね。そのクッションすっ飛ばして死なせちゃったから、展開が唐突すぎて唐突すぎて。

でもやっぱり全体像は良かったと思います。
無印の最初から数話見た印象は、あぁコレ要はピカレスクね、で、最終的な印象は主人公は美しいピカロでしたよ、だったし、実際wiki見たら監督もそのつもりで作ってたらしいので、狙いはドンピシャで成功していたと思います。
キャラの行動動機の無茶苦茶っぷりも、西部劇っぽい感覚がありましたし。
ルルーシュの最期は、文句なしでした。
他の道はいくらでもあるだろう、と理屈では考えられるんですが、彼らはそれを選べない。彼らの人格の根底を支える感情が、これ以外の道を絶対に選ばせない、というのがそこまで描かれてきたストーリーでさんざん分からさせられていたというか。あー、もうこれしかないんだな、と素直に思えちゃいましたね。
あと不謹慎なので伏せますが、あの美しい死姿は、本当にエロ美しい、と私の本能ががががが。
かなりどきどきしましたともさ
ちなみにあの死は、萌えではなく、燃えだったと思います。
自分自身の人生に、色々と問いかけて問いかけて問いかけ倒して行き着いた、最後の意地だと思うので。
ルルーシュとスザクって、究極の所、意地がベースにあったよな、と思います。
意地に関しては、考察でちょっと細かく書こうと思います。

あー、あと好きなキャラについて。

ロイドさんに関しては、自分本当にメタ視点・ナレーター視点のキャラ好きやな、と思いました。
本物のナレーターポジションじゃなくて、物語に一応参加しているキャラのはずなのに、視点がメタ位置にあるのが好き。現実の体の方は割と足下おぼつかない。視点と現実に生きる命としてのギャップに、うっかりすると足下すくわれそうな感じがいい。エンハウのアイネストとか、もろナレーター位置から物語へ叩き落とされて墜落死、みたいな感じのキャラでしたし。
R2終盤入ってわかりましたけど、ロイドさんから受ける独特な印象って、要は彼の視点がナレーター位置にあるからなんですよ。アウトサイダー目線。ブラックリベリオン以降、大分物語世界に降りてきてはいましたが、他にこの視点で世界を見てるキャラって、C.C.くらいだと思う(スザクサイドにおけるC.C.ポジションはロイドさん、というネタがロイドファンの間でありますが、これある意味結構的を射ていると思う。要は突き放した視点からの忠告や感想を告げる係。違いは、ロイドさんは物語を動かす要因を持っていない、キャラとしてはあくまで戦闘の盛り上げ役という点)。
で、そのくせ生活力皆無。安全圏見つけ出して潜り込むのは得意なんだけど、そのぶん安全圏破壊されかねないクーデターとかマジびびる。(まぁその後、きっちり新皇帝のお膝元という安全圏を確保したあたりは流石ですが)でも視点はメタ。ある意味シュナ様とかV.V.とかよりも遙かに上から目線。見てる次元がずれている。で、何気にそんな自分を「壊れてる」と自覚している。でもそのことを、開き直っていて、つまりはある意味諦めている。
もー、この人本当に存在自体がエロすぎる!!
で、そんな彼でもやっぱり、何だかんだで成長期を経て、この世界に組み込まれてることを実感出来たのは素敵なことだと思うんですよね。
いつの間にやら僕らの方がパーツ、って、彼にとっては何気に凄いことですよ。
スザクとルルーシュの作ろうとする世界を構成する、つまりはこの世界に生きる自分以外の誰かの夢に、世界観に、組み込まれていることを実感してたんですよ。メタじゃない視点から世界を見る自分を、実感できてた瞬間があったんですよ。
正直、スザクがどうやって自分たちの計画を彼らに話そうと思ったのか、どういう経緯でああなったのかは、かなり夢が広がりんぐです。

ディートハルトは、あれですな、顛末はある意味当初の予想通りなんですが、思った以上にやられ方が良い感じに酷くで、しかもそこに至るまでは長生きしてくれたなぁと、ホントに思います。ギアス関連以外の歴史の裏側、ほぼ一通り見たよなこの人。ジャーナリストとしては、結構本望な人生じゃね? 本人的には、最後の展開にはご不満があったようですが。
あと、テンション高いキャラが多いわりに、実は狂人って意外といないこの物語の中で、唯一本物の狂人入ってた奴だったと思います。他人に、理屈で分かってもらおうとは、鼻から思ってないんですよ、自分が見て感じている世界観を。
理屈なんて要らない、私の撮った映像見て魂で分かれ!! 的な。頭良いくせに。
他のキャラは何だかんだで、他人に言葉と理屈で分かってもらおうとしてますからね。自分の中の衝動や価値観の正しさを。他人に分かってもらわなくて良いというキャラでも、自分自身に対しては理屈で分からせようとする。衝動は衝動なんだから、理屈抜きでいい、とはならない。そのへん無視して突っ切れる彼は、面白いキャラだったと思います。

シュナイゼルは無印での空気っぷりを見事に挽回しましたね。
何ものにも執着できない虚無と言われたものの、結構頑固者でしたよね。彼。クーデターなんて面倒くさいこと、きっちりやろうとしてたんですから。
まぁ、彼にとっては、普通に日々生きていくのも同じくらい面倒くさいので、その日常の活動が、クーデター活動になったところで、特に違いがない、という感覚なのかも知れません。
でも、ルルーシュとの会話を見る限り、ある程度理屈を詰めて考えておく程度には、何だかんだで、平和な世界を作りたい、という意志は結構かっちり持ってたというか。ここは意外でした。
ホントいっぺんやると決めたら、絶対に覆さないんだもんなーこの兄弟。
あと、無印の頃、こいつえげつない性格していたとしたら、多分先天的なタイプだろうな、と思ってたんですが、もしこの人が先天的にからっぽなのだとしたら、実は彼の行動は世界の人々の願いを鏡写しのように写し取って、具現化してしまった、と言えるわけで、となると実は、ルルーシュはものすごい人の業相手に戦っていた可能性があります。
まぁ、実際に倒せたのは、シュナイゼルの虚無性を利用したから=鏡は割れたけど、鏡に映っていた世界を壊せたわけではない となるんですが。
ある意味シャルル以上に、セカイ系だったのかもしれないとすると、ラスボス(後ろに控えているナナリーは、ラス戦後のイベントでのラスボス)として、実は相応しい人だったのかも知れません。
実際あそこに至るまでは、カノンがさんざん頑張って、説得してたろうな、と思いますし。
つか、前に谷山浩子でキャラソンの記事書きましたが、その中でも特にガチにハマると思うのが、シュナ←カノの「きれいな石の恋人」だと思う。

彼は何もほしがらない
私の顔もよく見えない
そばにいると嬉しそう
いなくなっても それはそれでいい

石のこころは孤独なこころ
淋しくはない 孤独なだけ

いとしいこころ 石の恋人
けがれを知らぬ 愛も知らぬ

穏やかで優しくてとろくさいところが、大変可愛らしかったオデュっさん、地味に好きだったんですが、さくっと終了してしまいましたね(´・ω・`)。
まぁ、ルルーシュの行動パターンから考えて、いつかそうなる気はしてましたが。

オレンジはまさかの展開を果たした最大のキャラでしたね。次点は咲世子さん。
いやもう、初登場時に誰がこんな展開になると思ったっちゅーねん。
ルルーシュサイド最終メンバーの、華やかで、温もりがあって、頼もしくて、可愛らしくて、でも切ない感覚に、かなり貢献していたと思います。
ゼロレクイエムを受け入れるのに、一番辛かったの彼じゃねぇかな、と思います。
スザクはそれまで、ある意味ルルーシュと共に葛藤し倒してきた子だから、このゼロレクイエムというルルーシュの世界への解答を、一番理解できる人間の一人(もう一人はC.C.)だと思うんですが、彼はルルーシュに関して持ってる情報がそんなに多くはない。かといって、ロイド達ほど少なくもない。
主君が心の底からそれをやりたいと願っている、という事が分かる以上、彼には断りようがないし、尽力する以外の選択肢なんて選べやしないんですが、そのためにようやく取り戻した心の支えである主そのものを、永遠に手の届かないところへ送らなければならない。
とはいえ、ここに至るまでに落ちてきた地獄の深さが、本当に半端無いですから、ここに至った彼は、その選択肢もちゃんと受け入れられるようになっていたんでしょうね。
いやホントに凄いキャラに育ったもんです。

まとめとしては、最初に色々書きましたが、総じて見れば面白かったと思いますよ。
というわけで、第三期にも期待させていただきます。
でもできればテンポ大事にしてほしいなぁ。

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