ティム・バートン版アリス 映画の方の感想
前回原作の話ばっかりしたので、映画の方を。
ジャバウォッキーとハートの女王をラスボスに設定して、大人になりかけたアリスが不思議の国に戻ってきて、大冒険して、一回り成長した結果、大人になると言うよりは逞しい少女性を取り戻して、現実世界へ帰るそんな感じ。
逆に言えば、アリス派生二次創作ものの王道をとことんいったな、という感じがしました。
ティム・バートンの割に尖った部分があまりなく、するすると通り抜けていくような、当たり障りない展開ではあるんですが、映像美は流石の一言ですし、ティム・バートン節のデザインにアリスの世界はとてもよく合う。ってまぁ、これはもう観る前から分かっていたことではありましたが。
で、ジョニーデップの帽子屋ですが、感覚としてはシザー・ハンズが一番近い感じで、ちょっと可哀想でそれゆえ愛おしい感じ。頭なでなでして、ぎゅっしてあげたくなる子。
ちくしょう、帽子屋可愛いよ帽子屋。へんてこだけど。
いつかまた、アリスに会えると良いね。
ところで原作では白の勢力の伝令をしていましたが、映画版で赤の女王に言ったことが本当なら、ちゃんと白の女王にも帽子作っていたみたいですね(大半の時間はお茶会してただろうが)。
ちゃんと帽子作ってる帽子屋を見る機会は意外と少ないよな。原作の時点で伝令とか、お前職業何なんだよ、って感じですしw
世界観全体で、「そういえば!!」と思ったのは「犬」の存在でしたね。
てかティム・バートンってホント犬好きだよね。だから、原作にはない犬の出番が増えるのは、まぁ後から考えれば当たり前だったんだけど、観る前は予想してなかったんだ。
だって、アリスの世界において、犬ってちょっと特殊な存在だから。
犬だけは、マッドではない、「まとも」の象徴みたいな所あるんだよね、原作アリスだと。チェシャ猫も犬はまともだと言っていたし、原作の不思議の国に登場した動物の中でも唯一喋らずじゃれてくるだけで、犬は普通のただの犬だった。
でもティム・バートン版では、喋る動物の仲間入りして、しかも大活躍している。
あと、バンダスナッチも犬っぽかったよね。その上味方になっちゃう。バンダスナッチが味方になる展開ってのも珍しいよな。
逆に猫のダイナは出演しなかったなぁ、まぁ寿命的に流石にもう死んでるか。でもダイナにはちゃんと子ども達が居たはずなんだけど……よそへやっちゃったのかなぁ。
いやまぁ、何が言いたいかというと、もともとアリスってどっちかっつーと猫派の話だけど、犬派のティム・バートンが描くと犬の出番増えるね、猫の出番減るけど、でもチェシャ猫はちゃんと大活躍だし、まぁいいか、的な。
あとは……、メンバー自体は、ジャバウォッキー一味と白の女王を除けば、だいたいディズニーアニメ版のメンバーでそろえられていたのは、ディズニー配給だからなのと、なによりディズニーのアリスが一番メジャーだから、あのメンバーが有名で、みんなにとって分かりやすいってのはあったでしょうね。
とは言え、ディズニーに出ていなかったキャラの役割を兼ねて、一人二役みたいになっている奴が結構いましたね。
分かりやすいのは、ハートの女王が赤の女王扱いになってることかな。これは予告編の段階で、なんか足して二で割ったキャラになってるな、と気づいてましたがやっぱりそんな感じ。性格は完全にハートの女王っぽいんだけど、チェスバトルに参加してるのは、赤の女王っぽい。
あと前のエントリーで書いた、白の騎士に近い役回りを、帽子屋がやっているのも、一人二役かな。
彼と戦ったハートのジャックは、赤の騎士と兼ねていた感があるし。
あと、三月兎がおもいっきし、公爵夫人のコックの技を繰り出してましたね。
他にもネタがあったのかもしれないんですが、ちょっと一回見た限りでは、それくらいしか分かりませんでした。
ちなみに、こういう兼業は、ディズニーアニメも使ってたネタで、それこそハートの女王が、赤の女王のセリフを一部喋ってたり、ハンプティ・ダンプティの非誕生日のネタを、お茶会メンバーが使ってたりしてましたね。そう言う意味では、伝統にのっとったと言えば、のっとってる感じ。
大体そんな感じ。
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