シャッターアイランド 感想
見たよー、今更な!! ちなみに見た後ネットで感想とか見て回ったら「あの煽りはないわ」「あの宣伝のせいでつまんなくなった」みたいなことが書かれていましたが、私は幸い何も知らず今更見たため、大変面白く感じましたね。 いやぁ、こういうの大好き。 ここは夢かうつつか、何が本当で誰が狂人なのか。その狭間をゆらゆら漂い、幻想的な映像美でくらくら惑う。いやもう、ホント絵が綺麗だった。 この物語の根幹にあるのは、 テディが狂っているのか? ←→ 本当はまともで、狂っているということにされかかっているのか? の双方を揺れ動くサスペンスなんだけど、そりゃ謎解きとか言われて煽られたら、つまらなくなるわなぁ。 何が本当なのか、どんどん分からなくなって、迷路の奥へ突き進んでいく感じがたまらないんだけど、それはミステリじゃなくて、サスペンスなんだよね。殺人とかのあれじゃなくて、 サスペンドされているという意味の方のサスペンス。 逆に言えば、ミステリ作品は、本当は謎が謎を呼んだりはしてないのかもなぁ。 登場人物達が「謎が謎を呼ぶぜー」と言ってても、見てる側からすればどんどん謎が解けてきている感覚があるもんな、ミステリは。 シャッターアイランドはその真逆。まさにどんどん迷宮に踏み込んで、溺れていく感じ。 そう、溺れる話なんだよな、コレ。 だから嵐の島が舞台で、まるで水底から水面を見上げるような、ゆらゆらして無音な雰囲気の幻覚シーン。 でも次の瞬間には、この幻想は罠かも知れない、彼を狂人へ陥れようとする現実世界の陰謀にはまりかかっているのかもしれない、とはっとさせられる。 沈んだり浮き出たりしながら、何も信じられなくなっていき、どんどん深みへ嵌っていき、最後の最後で自分を狂人と認めるか否かという選択肢を突きつけられるという。 でも、ここまでぶくぶくに沈んだら、もうどちらの選択肢を選んでもすっきりとしたおしまいにはならないわな、と思ってたら、最後の最後で、もの凄い覚醒を見せつけてくれると言うね。 覚醒した結果、現実でのまともな生を捨てて、幻想での破滅を選び抜くという、とんでもない生き様を、担当医に見せつけていったわけで。 というか、シーアン先生のことだけは、 結局信頼したんだよな。やっぱ彼は特別扱いだった。 最後に至るまでの一連の台詞は、共犯関係の仲間と